きみが笑うとこんなにもうれしい

2月に発表されてからの約半年間ずっとずっと楽しみにしてきた舞台『Vamp Bamboo Burn~ヴァン!バン!バーン!~』が8月5日、長野でついに幕を開けました。

自分の観劇予定が2回目までかなり間が空くので、せっかくなら初日に観て感じたことをここに残しておこうと思います。以下ネタバレも含むのでご注意ください。

 

まずとにかく、すっごく面白かった!新感線は好みが分かれるとは聞いていたし実際この目で見てたしかにそうだろうなとも思ったけど、わたしにはすごく合っていたみたいでトンデモ設定や殺陣にもわくわくしてばかりだったし、要所に盛り込まれる小ネタにも笑わされっぱなしで1幕も2幕もあっという間に時間が経っていました。元々ミュージカルや歌のあるお芝居が好きだっていうのもあるのかも。

場面転換や登場人物の多さ、キャラクターの濃さ、細かい設定、そういった要素で一度に理解するのが難しい部分はたしかにあるんだけど(実際わたしもあれ、これってどういうこと?って思ったところもあります)そういうことを気にせずあれがすごいここが面白いって素直に観ることがなによりこの舞台を楽しめる姿勢なのかなと感じました。というか、そういう見方ができるようにこそ細部まできっちり計算しつくされてしっかり時間をかけて作り込まれているのかもしれない。でもこれだけいろんな設定が盛り込まれていれば考察をする余地はありすぎるほどに溢れているし、わたしも勿論考察にも満たないような妄想ばっかり既にしています、オタクなので(笑)2回目以降は初見で見逃してしまった神ちゃんの出番をしっかり最初から見つつ、どういうこと?って思った部分をさらに考えたり答え合わせしたりもしながら楽しんでいきたいです。

 

神ちゃんの出番は全体の中でいうと多い方ではないけれど、その多くはない出番のどれもがなかなかおいしい気がする。インパクトのある台詞や登場の仕方で、きっと神ちゃんのファンではない人にも蛍太郎というキャラクターは少なからず印象に残るのではないかなと、希望も込めつつそう思います。板の上で役を生きる神ちゃんは、とてものびのびと演じていたように感じました。初日の緊張感は勿論あっただろうけど、それが客席側に変に伝わることはなかったしステージにいることを楽しんでいたのではないのかな。

事前に雑誌で得ていた情報によると神ちゃんは歌わないらしいということでちょっと残念には思っていたのだけれど、いざ蓋を開けてみるとほんの少しではあるけれど神ちゃんも歌わせてもらっている部分があったのはとても嬉しかったです。それに、ダンスも。ダンスシーンはきっといくらかはあるんだろうなと思っていたけれど、蛍太郎としてではない姿でも踊っていたのにはすごくびっくりしました。完全に”蛍太郎”を見ているつもりでいたから歌舞伎町でのダンスシーンで神ちゃんを見つけたときには本当に驚いて自分の目を疑ったし、ガシガシ踊る姿もアクロバットも最後にフードに隠れてキメ顔を見せつけてくれたのにはやられた…思わず一瞬息をするのも忘れるくらいに見入ってしまっていました。

パンフレットで神ちゃんが『いのうえさんが僕がギターを弾けることを知って、出番を追加してくださいました。』と言っていた、フェスのシーン。出番が増えたことも勿論とっても喜ばしいし、その出番が増えた経緯を知ることができたのもよかったなと思います。優しいって言うとなんだかちょっとニュアンスが違うような気もするんですが、あくまで仕事なんだからちょっと弾けます程度ならもしかすると出番は増やしてもらえていなかったかもしれないし、神ちゃん自身の力量をきちんと見た上でいのうえさんの心遣いで追加してくれたんじゃないかな~と思えてそれが嬉しかったです。ただの憶測でしかないんですけどね。

 

前回の記事を書いた時点ではまだ正直、神ちゃんの人見知りを心配する気持ちがわりと強かったんです。共演者さんたちやいのうえさんから”神ちゃん”って呼んでもらえているのがわかったことや、神ちゃんのいない対談でも名前を出してもらえていることにいちいちものすごく安堵して。演技やパフォーマンスについては何の心配もしていないって胸を張って言い切るくせにこういうところばっかり勝手に心配して、ほんと過保護もいいとこですよね…(笑)だけどその不安は、毎週更新されるなにわぶ誌で神ちゃん自身が人見知りを発揮していないと発言していたり、稽古についてすごく楽しそうに綴っているのを見るたびにどんどん薄れていきました。充実しているとか勉強になるとかいろいろな書き方をすることもできるけど、素直に「楽しい」という言葉ばかり出てくるってきっと本当に神ちゃんはVBBの稽古を、このお仕事の現場の空気を楽しめているんだろうなあって。それはきっと新感線という劇団のつくる雰囲気がとてもやさしく賑やかであたたかいものだからこそ、のびのびいきいきと心から楽しんで毎日を過ごせているんだと思います。きっと今の神ちゃんにとって何より必要なのが新感線での、このカンパニーでのお仕事なんだろうなあ。

そしてそれを個人的に一番実感することができたのが、初日のカーテンコールでした。蛍太郎でも他のどんな役でもなく完全にいつもの”神山智洋”の顔でイキイキと楽しそうにステージに立っている神ちゃんを見ることができたのが嬉しくてたまらなくて、思わず視界が潤みそうになってしまいました。有名な劇団の舞台で豪華な共演者さんたちに囲まれて、しかも初日で、神ちゃんはきっとやりきった達成感がありつつもいつもの所謂”いい子ちゃん”みたいな緊張した姿をしていたりするんじゃなのかなと勝手に想像していたんです。でもカテコのときの神ちゃんはマイクを持ってニコニコしたり後ろや横を向いて共演者さんたちとアイコンタクトを取ってみたり軽く目を閉じながらノリノリで体を揺らしたりして歌っていて、わたしの想像を完全に覆す姿にとても驚かされたし全身から「楽しい!」が伝わってくる様子に、あ~こんなにも楽しそうに笑う神ちゃんが初日から見られるだなんて、よっぽどここに馴染めていて毎日が楽しくて刺激的なんだろうな、神ちゃんの居場所がここにもあるんだな、って実感することができました。最後に斗真くんの計らいで神ちゃんに挨拶役を振ってもらえたことがまたさらに嬉しくてびっくりして、突然の振りに動揺しつつもしっかりと前を向いて挨拶をしていた神ちゃんの姿が愛おしくて誇らしくて結局我慢の甲斐もなくぼろぼろ泣いてしまったんですけどね。笑

 

あとこれは舞台自体とはまるで関係ない思い出話なんですけど、今回生まれてはじめて長野という地へ足を運んできたんです。食べ物も空気も美味しくて、気候も土地柄も過ごしやすくて、とても回りきれない数の観光地の中から絞って回った場所がどれも素敵だったこと、お世話になった旅館がとても素晴らしかったこと、これは時期的なものもあるけれど初日公演の後に神山担の皆さんと一緒に見た花火がとても綺麗だったこと、本当に気に入る要素しかなくて大満足の2泊3日になりました。避暑地として有名ではあるものの関西からのアクセスはそんなに良い方ではなくて、多分”神ちゃんの出演する舞台の初日プレ公演が行われる”というこの機会でなければわたしが長野に行こうと自ら思い立つことはなかっただろうし、こんなにも好きになることもなかったんじゃないかと思います。しかもまさか上田の花火大会を同じ河川敷で神ちゃんも見ていたことが後でなにわぶ誌で明かされて、ますます忘れられない夏の思い出にもなりましたしね!神ちゃん、長野まで連れて行ってくれてありがとう。神ちゃんを見に行くことだけを目的に遠征するのも勿論すごく楽しいけれど、こうやって”楽しい旅行の思い出の中に神ちゃんのキラキラした姿を浮かべられる”っていうのはまた違う良さがあって、思い出がより一層素敵なものになる気がしました。コンサートでも舞台でもね。

 

ようやく今日から4公演目、東京公演初日を迎えるVamp Bamboo Burn。まだまだスタートしたばかりのこの舞台が、そして神ちゃんが、これから3ヵ月という時間をかけてどんな進化を遂げていくのかどれだけわくわくさせてくれるのか本当に楽しみです!